【漫画感想】Artisteアルティスト4巻※ネタバレあり(もさえど太郎)

4巻の前半でジルベールとエルザが仲良くなったエピソードが登場します。

さらに3巻でうまくいくようになった厨房と、今度はフロア担当がトラブル発生です。

アパルトマン編では日本からパリに来た青年が主人公になり、新しい視点でパリ生活を楽しめました。

海外生活に憧れても、実際住むと文化の違いに慣れる大変さがよくわかりました。

何より他のキャラから見たジルベールの変人っぷりが面白すぎます。

飽きるどころか先が気になって仕方がありません！

あらすじ

ジルベールと同じ店で働くエルザは、実は幼い頃から彼に好意を寄せていた。しかし、恋愛方面（というか他人の感情）ににぶいジルベールはその気持ちに全く気がついていない。両親の反対も押し切って料理人になり、とうとう同じ厨房で働けることになったエルザは密かに浮かれていた。

メグレーのレストランはオープン以来から大繁盛。一時期はチーム崩壊かと思われた厨房もうまく回っていた。そこに新たなるトラブルが勃発。やたらと厨房への当たりがキツイベテラン給士長に厨房からの非難轟々。なんとか間を取り持つためにジルベールが奔走する。

４巻の後半は、パリに住むアキオが主人公。

パリの空気に馴染めず早く日本に帰りたいと思っていたアキオだが、７年間少しずつ描いてネットにあげていた漫画が編集者の目に止まり、思いがけなく漫画家としてのデビューを目指すことになる。

ただ、その編集者がこれまたくせ者で、物語の大筋を変えようとしたりデビューを先延ばしにしたりと、信頼関係が築けない。もう漫画自体をやめようと思うまで落ち込んだアオキに声をかけたのはジルベールだった。

登場人物

給士長（メートル）※名前は登場していません

お客様に料理とサービスを提供するホール全体を取り仕切っている。超ベテランでサービスレベルも高く、ミシェルでさえも頭が上がらない。かなりの勉強熱心で、お客様ひとりひとりに合わせたサービスを行う。

厨房へは当たりがキツく、そのせいで揉めることも・・・。

ジルベールの暮らすアパルトマンの住人

サラ

おもちゃのデザイナー。日々おもちゃのデザイン・制作を行い、メーカーに提案するという仕事をしている。人当たりがよく、アパルトマンの住人ともそれなりに仲良くしている。

シモン

SF作家。寒いのが苦手で冬でも真夏のように部屋を暖かくして過ごし、買い物もネットで済ませてほとんど外には出ないようにしている。

アキオ

ゲーム会社のグラフィックデザイナー。独身ということだけを理由に、パリにある支社に転勤させられた。漫画を描くことを趣味にしており、それをネットで公開していた。その漫画が編集者の目にとまったことをきっかけに漫画家への道を歩みだす。

パリに住む人たち

みさき

アキオと同じ美大卒で友人。内装デザインの仕事をしている。フランスが大好きでアキオがパリに転勤になったのをきっかけに、自分もパリに引っ越して現地で内装デザインの仕事をすることにした。かなりの度胸があり、フランス人職人とも怒鳴り合って仕事をしている。あゆむと恋人同士。

あゆむ

みさきと同じくアキオの友人。仕事は（しているのかどうかも）不明。「みさきの彼氏だからそばにいなきゃだめ」という理由だけでパリに引っ越した。フランス語も英語もできないが、持ち前の明るさで楽しく生活している。

見どころ

①給士長とのトラブル

厨房は随分いい雰囲気になったなぁと思ったら、今度はホールとトラブルです。

給士長がとにかく言葉足らずなんです！

ただ、この話があったからこそ、このレストランがだんだん一つになっていっているという実感を感じることができます。

給士長は嫌な感じの人なのに、全然憎めないキャラ。

めちゃくちゃレベルの高いサービスマンなのに、厨房に対する言葉のきつさを見ると「この人ももしや過去になんかあった・・？」と想像しちゃいます。

②アキオの漫画家への道

ひとまずジルベールのレストランから離れて、アパルトマンに住む日本人にスポットがあたります。

この話では、アキオの感情の浮き沈みがしっかりと描かれていて、感情移入しまくって読めます。ジルベールの話は見守るという視点が多いので、また違った面白さが味わえますよ。

読んでいてこちらの胸が痛くなるぐらい、アキオは苦悩します。絶望して何もかも嫌になって雪の中一人で座り込んでいたところに声をかけたのがジルベールでした。

ジルベールのアドバイスでもなく批判でもない、アキオの気持ちに寄り添った言葉のおかげで自分の本当の想いが明確になって、再び漫画を描き始めるシーンはそれまでアキオを一緒に苦悩していた読者としては清々しい気持ちになりますよ。

アルティスト4巻の感想・レビュー

えっと・・・小さなコマでもキャラクターがいるという話の続きでしたね（意地でも語りたい）。

この漫画は視線や表情の描き方がうまくて、キャラクターの表情だけで笑っちゃったりします。

ジルベールの焦った顔とかオドオドしていたりするシーンとか、本人何も喋ってないのにニヤニヤしながら読んでます。

言葉じゃなくて、キャラクターの動きで色んなことを伝えてくるって、本当に漫画の力ってすごいと思います。

細かく書き込まれてない漫画がどうとかっていうよりは、それはそれこれはこれ、みたいな感じで描き込み度がアルティストの魅力のひとつだと思っています。

それではまた。

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ばともと

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ネコ飼い歴5年。生まれたての子ネコを育てた経験あり。

ネコのために試したキャットフードやアイテムは50を超え、現在も更新中。 ネコたちが幸せに長生きしてくれるならなんでもしたい下僕。